歯の病気と全身の病気

自覚症状がなくても

体の表面が皮膚で覆われているように、歯の表面にはエナメル質が、また、歯と歯ぐきのまわりには上皮が覆い、外界からの異物が体内に入ってこないよう防御しています。細菌がこの防御機構を破って侵入し、歯の根の周囲の骨の中に住みついて増殖しながら慢性の病巣をつくり出すと(歯性病巣感染)、血液中に多くの細菌が絶えず流れている状態(菌血症)、歯や歯ぐきと離れた臓器や器官に影響を及ぼすことがわかってきています。

例えば、 心内膜炎、心筋炎、リウマチ、慢性多発性関節炎、腎炎、皮膚・粘膜疾患、眼疾患などは、歯ぐきの周囲に住みついた細菌が出す抗原が血中に移行して起こる場合があります 他にも、 歯周病と心臓病、糖尿病、動脈硬化、呼吸器系の病気、早産などとの関係も指摘されています この様に、歯科疾患が大きな影響を及ぼす全身疾患がたくさんあることがわかっています

症状が出た時は手遅れに

 

 

歯の神経が死んで根の先に感染が及んでいると、身体の抵抗力が落ちた(疲れた)時、急性化し、

腫脹、疼痛、発赤、発熱の症状がでることがあります。この場合、歯が保存できるならば、排膿処置(膿を外に出す)、刺激軽減処置、投薬処置をいたしますが、一旦勢いがついた急性症状はなかなか

おさまらないため、2~3日は我慢していただかなければならないことがあります。

レントゲンで根の先に暗い透過像があった時、痛みが無くても治療をすすめるのは、こういう危険性性があるからです。