学校歯科医は学校安全を目的とした学校保健安全法の定めるところにより、養護教員と共に児童生徒の健康保持増進の為に活動し一定の成果をあげてきました。しかしながら、ここに至って私達だけでは解決し難い問題があることがわかってきました。

 

1、     クラブ活動に要する時間が多いために歯科治療の通院時間の確保が難しく、治療放

   置か通院中止になり悪化、最悪抜歯に至る可能性

2、     口腔外傷の予防及び脳震盪の軽減に効果があると言われているマウスガードの使用を積

   極的に取り入れている競技団体の少ないこと

3、     口腔外傷発生時における適切な処置方法の認識不足

4、     スポーツドリンクやサプリメントの誤った摂取方法による新しい歯牙疾患、酸蝕歯

   の発生。                                

 

歯牙疾患は他の疾患に比べ除痛後にも多くの治療日数を必要とするため、クラブ活動に支障きたすのを恐れ治療が途中で中止になることがあります。また、歯科治療とはいわゆる修理や修繕のたぐいで原状回復ではないため、喪失した機能を補うためには他の部位に負担をかけなくてはならなくなり口腔機能はさらに悪化する危険が生じます。したがって、口腔機能の健全な維持に一番必要なのは予防処置であり、次に口腔疾患の発症を最小限にとどめる努力と適切な処置であります。

上記の問題はクラブ活動時における指導員の的確な指導により効果を得られると思われますが、残念ながら具体的な指示内容は周知されておらず、それにより放置することは指導不足と捉えられ、その責任を問われる可能性がでてくるのではと危惧いたします。

また、噛み合わせがパフォーマンスに影響するともいわれておりますが、それよりも試合のとき歯痛のため出場できなかったり、集中できなかったりする可能性もあり、その意味からすると最大のパフォーマンスを発揮するには口腔状態の健全な保持が必要だと言えます。

大阪府学校歯科医会は、「スポーツ健康づくり委員会」をたちあげ、スポーツや健康における歯科の役割を調査研究し、その結果や資料を 各種競技団体に提供することによりこれらの問題に対処し、児童生徒たちがより安全にクラブ活動に取り組めるように協力していきたいと考えます。