入れ歯

歯が無くなったところを補う取り外しをしなければならない装置を「入れ歯(義歯)」といいます。

入れ歯には1つの顎を全部覆う総入れ歯と歯が残っており無くなったところだけを覆う部分入れ歯があります。

この2つは支える場所が違うためまったく別の装置と言えます。しかし入れ歯が一番大事なことは痛みが無く噛めることです。保険を使用してつくられた入れ歯も、保険を使わずにつくられた入れ歯も痛みが無く噛めることです。保険でつくられた入れ歯は痛みがあるから、保険外の入れ歯なら痛まないというものではありません。

また、入れ歯が落ちたり、歯肉と入れ歯の間に細かい粒が入り込み痛むというのは、入れ歯と歯肉との間に隙間ができているからです。

 

痛みの原因は?

入れ歯と歯茎が合っていないと、咬みあわせるとあたり過ぎているところが痛みます。入れ歯の咬み合わせが合っていないと、入れ歯と歯茎が合っていても咬み合わせた時、入れ歯がずれて痛みがでます。またはその両方が合っていない場合があります。

古い入れ歯が痛くなるのは、ほとんどの場合、歯の部分がすり減ってしまい合っていないのと、長い間その状態で使用され、入れ歯が歯茎とも合わなくなっている場合が多いです。したがって両方を調整しないと痛みはなかなか消えません。

そんな時、入れ歯安定剤を長期に使用しますと、かえって歯茎の骨が吸収され難症例の入れ歯になってしまいます。このごろ歯科医が安定剤や、入れ歯を安定させるためにインプラントをすすめるのを聞きますが、 入れ歯安定剤のいらない入れ歯、インプラントに頼らない入れ歯を作るのが最初の選択肢だと思います。

それでも、患者さんが満足できなくて、インプラントができる状態であれば、その選択肢もあっていいと思いますが、まずは、ご相談ください。 

 

痛みのない入れ歯にするために

痛みのない入れ歯にするためには、私たち歯科医は努力を惜しみませんが、それにもまして患者さんの協力が必要となります。

入れ歯を修理したり、新しい入れ歯を作ったりした時、材料の特性で収縮がおこり、歯肉との適合に微妙なずれが生じてしまいます。そして、それは使用すると痛みとなって現れます。ここで患者さんが、入れ歯の使用を止められますと合っていない場所がわからなくなってしまい、歯科医には入れ歯の調整が難しくなってしまいます。なぜならば合わない場所はあたりがきつくて傷ができて痛むのですが、歯科医はそれを確認して調整します。入れ歯をはずしていますと、傷は治って消えてしまい、合っていない場所がわからなくなってしまうのです。ですから、患者さんには最低1日は我慢して使っていただきたく協力が必要となります。

山崎歯科では患者さんの負担が少しでも軽くなるようにと、調整には毎日でも来ていただいてます。

入れ歯は、歯が無くなり失った咀嚼という口腔機能を回復させる、いわゆるリハビリのための道具であります。私たち歯科医もがんばりますが、患者さんもがんばって使える入れ歯を作っていきましょう。

入れ歯の種類

レジン床義歯:歯茎を覆う部分がレジンというプラスチック素材でできている入れ歯。

       保険でできる入れ歯。

       利点ー保険が使えるので安価。修理ができる。

       欠点ー剛性が劣るため厚み(2~3㎜)があり、違和感が強い。温度が伝わりに

          くく、味が分かりにくい

金属床義歯 :歯茎を覆う部分が金属でできている入れ歯。

       保険がきかない。

       利点ー剛性が優れているため薄く(0.2㎜)、違和感が少ない。温度が伝わりや

          すく、味がわかりやすい。

       欠点ー保険が使えないので高価。修理がしにくい。